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新型コロナ予防対策の意外な盲点?

 

 

新型コロナ感染予防方法は色々なところで紹介されています。

手洗い、うがい、手指消毒、マスク着用、ソーシャルディスタンスを保つなどは当たり前のように皆知っていることと思います。

 

 

細かいことですが、新型コロナ予防に関して

 

「多くの人が意外とできていなさそう」

 

なこと(盲点)をいくつか挙げてみます。

 

 


 

 

❶手洗いについて1

爪の間をあまり意識していない

 

物に触れるときに一番接触しやすい場所はどこでしょう?

それは指先ですね。

さらに、爪の間は洗う時に狭くてこすりにくい場所であり、ウイルスが残りやすい場所になります。そのため、

 

爪の間は徹底的に洗わなければならない場所

 

です。

 

手全体を何となく洗って爪の間を洗うのをおろそかにしたら、

爪の間に新型コロナウイルスが付着していた場合に排除できません。爪の間をあまり意識していなかった人は、意識するようにして手洗いしてください。

 

 


 

 

❷手洗いについて2

たくさんの水を使っていない

 

「たくさんの水を使って手洗いしましょう」という情報はあまり見ません。節水が大事だから言われないのでしょうか?実際は、手洗いにはたくさんの水を使った方が良いのです。

 

例えば怪我をした場合に消毒液が無かったら、どうしますか?

その場合、水で洗い流しますね(消毒液がある場合でも、消毒する前に水で洗い流した方が良いです)。

この場合の水は、少量ではなくたくさんの方が良いのです。なぜならば、汚れや菌がより多く流れ落ちてくれるからです。

石鹸で新型コロナウイルスが不活化してくれれば良いですが、もし生き残っていたら・・・

 

たくさんの水のおかげで生き残った新型コロナウイルスを洗い流すことができれば石鹸で新型コロナウイルスが不活化しなかった場合も予防できる

 

のです。

 

節水することは大事ですが、手洗いするときはたくさんの水を使ってよく流しましょう。

 

 


 

 

❸手洗いについて3

トイレ後だけでなく、トイレ前も手洗いする

 

トイレ後に手洗いすることは常識だと思っている方は多いと思います。

でも、トイレ前も手洗いした方が良いのです。

 

もしトイレに行く前に新型コロナウイルスが手に付着していたとします。

 

それがもしわかっていたとしたら、手洗いしてからトイレに行きますか。それともトイレ後だけ手洗いしますか?

 

手洗いしないでトイレに行くということは、新型コロナウイルスが付着したままトイレに行き、服や体を触ることになるのです。

手洗いして新型コロナウイルスを不活化させたり、洗い流してからトイレに行った方が良いことは容易にわかると思います。

 

面倒でも、

 

手洗いはトイレの前後両方した方が良い

 

のです。

 

 


 

 

速く歩くことを意識すれば新型コロナ感染予防になり、健康にも良い

 

何それ?と思う人が多いかもしれません。

三密の三つのうちの一つは密集です。人がたくさん歩いているときに、全員がゆっくり歩いていたらどうなるでしょう?

遅い車が渋滞をつくる原因になるのと同様に、

 

遅く歩く人が多いと人が渋滞しやすくなり密集が完成

 

します。

 

高齢者などは仕方ありませんが、歩くのが速い人が多ければ密集しにくくなります。

 

さらに、歩くのが速いと燃料(カロリー)を多く消費できるので健康にも役立ち、一石二鳥になります。

 

 

もし速く歩けないという場合は、歩く時に横並びにならないで、速い人の邪魔にならないようによけながら歩きましょう。

 

これは、三車線の道路で遅い車が一番左の車線を走行するのと同じことです。

 

ゆっくり歩いてよけない場合、遅い車が右車線を走り続けてよけなかったらどうなるか?と同じことが起こるということです。

 

 


 

 

基礎疾患がある人は・・・

 

例えば糖尿病が持病の人は、新型コロナに感染した場合重症化しやすくなるといわれています。

 

特に血糖コントロール不良の人ほど感染した場合の重症化リスクは高くなります。

 

重症患者が一人でも増えたらそれだけで新型コロナの入院病棟で働く医療従事者の苦労が何倍にも増えます

 

そのため糖尿病に限ったことではありませんが、

 

基礎疾患がある人は手洗いなど以外に、

 

基礎疾患のコントロールを徹底しなければいけません

 

手洗いマスク着用はちゃんとやっているけど血糖コントロールに関してはおろそかにしていたら、それはいけません。

 

コロナ太りで血糖値が高くなってしまったら、万が一感染した場合重症化しやすくなります。

これを機に基礎疾患をしっかり治療してコントロールしましょう。

 

健康管理を徹底させれば万が一新型コロナに感染しても軽症又は無症状で済む可能性が増す

 

のです。

 

 


 

 

❻外出は、

「できるだけ少人数で」ではなく、

できる限り1人で」にする

 

「2人なら少人数だ」と思う人もいれば、「3人でも少人数だ」と思う人もいるかもしれません。

もし1人で買い物できるのに、3人は少人数だからと思って来店する家族が10組いたら、

(1人ずつ来れば)10人で済むところ(3人ずつ来たために)30人になってしまい、密をつくる原因になってしまいます。

 

これは買い物に限らず、人が密集しやすい場所(例えば駅前など)でもできるだけ1人になるように外出を心掛けた方が良いです。

 

さらに、1人で外出すれば会話をする機会も減ります。

 

つまり、2人以上ではなく1人で外出すれば密になりにくくなる上に会話も減るので、感染拡大を食い止められることが期待できるのです。

 

 

以上より、

外出はできる限り1人でする

 

ようにしましょう。

 

人通りが多くないところを運動がてらに散歩する場合などは、他人との距離をとれるならば1人でなくても良いでしょう。

 

 


 

 

❼店舗などに設置されている消毒液:行きと帰りの両方する

 

行きと帰り、両方手指消毒していますか?

 

店の人からしたら、お客さんの手指消毒は帰りよりも行き(店に来た時)にしてほしいことだと思います。

 

客の立場からしたら、店舗内の色々なところを触った後の、帰りの際の手指消毒がより重要といえます。

 

新型コロナ感染予防のことを考え、

 

行きと帰りの両方消毒するようにしましょう