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コレステロールが高い!! どうなる? 薬を飲まなくても下がる人は?②

前回(コレステロールが高い!! どうなる? 薬を飲まなくても下がる人は?①)の続きです。

 

はじめに、

薬を飲まなくても下がる人というタイトルですが、過度な期待はしないでください。


まず、コレステロール値がどうして高くなるのかを知っておきましょう。大きく2つあります。

1つ目は、そんなこと言われなくても知っているという内容です。2つ目は、意外と知らない人がいる内容です。

 

1つ目

【コレステロール値が高くなる原因⑴】

 食べ物が原因

→これは誰でも知っていますよね(どんな食べ物かは今回は説明しません)。

※最近の研究では食べ物の影響はそれほど大きくなく、次の二つ目の影響が大きいと言われています。

 

2つ目

【コレステロール値が高くなる原因⑵】

 体の中でコレステロールが多くつくられる

→これは意外と知らない人が多いようです。コレステロールは、摂取して体内に入るのと体内で作られるのと、2つあるのです。

 

 


正常な人の場合は、

コレステロールが多い食品を摂取したら、

体内のコレステロールは逆に多くつくられないように働くためバランスがとれ、

コレステロール値は高くなりにくいです(少し多く摂取しても数値は悪くなりにくい)。

 

でも、

コレステロールが多く作られる体質の人の場合

コレステロールが多い食品を大量に摂取しても、体内で作られるコレステロールは少なくなりません。

つまり、多く作られる体質の人は、何を食べようがコレステロール値は高くなるのです。

 


 

まとめると、コレステロールは、

⑴食べて増える

⑵体内で作られて増える

前述したように⑴より⑵の影響が多い

 

⑴は本人が気をつければ何とかなります。

⑵はどうでしょう? もし作られるのが多い体質ならばどうすることもできません

※年齢が中年以上になってから作られるのが多い体質になる人もいます。

 

つまり、(食べ物を気をつけても)多く作られる体質ならば薬を飲まない限り下がらないのです。

コレステロールが高い!! どうなる? 薬を飲まなくても下がる人は?① 

で説明したBさんがそれに該当します。

つまり、薬を飲まなければコレステロールはずっと高いままで、将来心筋梗塞や脳梗塞発症のリスクが増えるのです。

 

もし薬を拒否し続けたことが原因で心筋梗塞や脳梗塞になってしまったら、コレステロール以外の薬も必要になり、必要薬が増えてしまいます。

 


では、コレステロールが作られるのが多い体質なのかどうかはどうやってわかるか?

調べるのはすごく簡単です。コレステロール値が高い人に食事運動療法をしてもらって下がるかどうかを見るだけです。

コレステロールが高い!! どうなる? 薬を飲まなくても下がる人は?① のBさんは、食事・運動療法をやっても下がらなかったので、コレステロールを作るのが多い体質だったのです。

 

 


以上より、

 

薬を飲まなくても下げられる人の答えは、

コレステロール値が高い原因=食べ物 である人

 

薬を飲まなければ下げられない人の答えは、

コレステロール値が高い原因=体内で多く作られる体質 である人

 

ということになります。

 


補足

体内でコレステロールが多く作られる体質は、遺伝であることがあります。

 

また、女性ホルモンには、コレステロールを多く作らないようにしてくれる作用があります

そのため、女性ホルモンが減少する年代になるとコレステロールを多く作る体質に変わってしまうことがあり、以前と同じ食生活なのにコレステロール値が高くなることがあります