風邪①
ばい菌とウイルスはどんな生き物でしょう?
(※ばい菌=細菌です)
ばい菌もウイルスも目に見えない小さな生き物=微生物(大きさは、ばい菌>ウイルス)で、種類によっては、体内に侵入して悪さしようとしても、体の抵抗力が勝って無症状である場合も多々あります。
【ばい菌の代表例】
大腸菌(最も身近な菌で、腸の中で共存している腸内細菌です)、溶連菌など
大腸菌は皆さんの腸の中にいる良い菌(腸内細菌)で、腸を整えてくれています(O-157のように体に悪さをする大腸菌もいます)。
溶連菌は感染すると喉が強く痛み、高熱が出ます。
【ウイルスの代表例】
インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルスなど
【問題①】皆さんが普段『風邪』と表現するのは、ばい菌とウイルスのどちらの感染でしょう?
ばい菌ではなくウイルスに感染して、咳・痰・発熱・喉の痛みなどが出現した場合を風邪といいます。なので、インフルエンザウイルスに感染した場合は、ばい菌でなくウイルスに感染したことになるので、インフルエンザは風邪の一種と考えても間違えではありません。
ウイルスは星の数ほど存在し、風邪をひいても、どんな種類のウイルスにかかったのかわからないまま治ることがほとんどです。
【問題②】抗生物質が効くのは、ばい菌とウイルスのどちらでしょう?
抗生物質=殺菌(殺ばい菌)する薬で、殺ウイルスする薬ではありません。
よって、抗生物質はばい菌に有効でウイルスには無効です。つまり、ウイルス感染である風邪の時に抗生物質を内服しても無効なのです。
上に説明した溶連菌の場合はどうでしょう? 溶連菌に感染すると高熱が出て喉が痛むので、症状から風邪の一種と考える人もいます。しかし、溶連菌はウイルスではなくばい菌(細菌)なので、一般的に表現する風邪とは違い、この場合は抗生物質が有効になります。
ついでに、抗生物質を内服すると下痢する場合があるのはなぜでしょう?
上に説明したように、大腸菌は皆さんの腸の中に住みついていて(共存)腸を整えてくれている腸内細菌です。抗生物質は殺菌するので、大腸菌を殺菌することもあります。共存して腸を整えてくれる大腸菌が殺菌されると、腸をうまく整えてくれなくなり、その結果下痢になることがあるのです。
【問題③】風邪の特効薬は?
風邪はウイルスによる感染症なので、抗生物質は無効です。
殺ウイルスする薬はないので、特効薬はありません(ただし、インフルエンザやヘルペスの場合、殺ウイルスの薬はありませんがウイルスの増殖を抑える薬はあります)。
それでは、風邪はどうやって治すのか?
次回は、風邪(=ウイルス感染)の薬・治療について説明します。