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間違いだらけの風邪治療???②(風邪③)

間違えだらけの風邪治療では、風邪の特効薬はなく、早く治したくても良い薬はないことを説明しました。

風邪薬=風邪を治す薬 だと思っている方が非常に多いため、くどいようですが前回と同様の内容を、例を挙げて説明します。

 

 

 


(例)Aさんは風邪を引いて、三件の病院を受診しました。三件も受診した理由は、一件目と二件目の病院で処方された薬を内服しても改善しなかったからです。

一件目の病院受診⇒処方された薬を内服したが改善しないため

二件目の病院受診⇒処方された薬を内服したがそれでも改善しないため

三件目の病院受診⇒処方された薬を内服した後に症状が改善した


 

 

 

【問題】次の①②のどちらが正しいでしょう?

三件目の病院の薬が良かったため風邪が治った。または、始めから一件目(か二件目)の病院が三件目の病院の薬を処方してくれていれば早く治っていた。または三件目の病院を始めに受診していれば早く治っていた。

一件目と二件目の病院を受診していた時はまだウイルスと体が闘っている最中で、三件目の病院受診後のタイミングで、自分の体とウイルスの闘いが終わった(闘いに勝利し、体内のウイルスを死滅させることができた)。ウイルスが死滅したのは薬のおかげではない。


 

 

正解はもちろんです。三件目の病院の薬のおかげでウイルスが死滅したわけではないのです。だと思う方は、もう一度間違えだらけの風邪治療を読んでください。

この場合は、一件目と二件目の病院受診の時はまだウイルスと自分の体が闘っている最中で、三件目の病院の薬を内服したときのタイミングでウイルスとの闘いに自分自身が勝ったため風邪が治ったのです。

つまり、三件目の病院の薬を最初に内服しても、まだ体内にウイルスがいるので、同じ結果になります。

処方される薬は症状をやわらげるだけの薬であり、薬のおかげでウイルスを死滅させたのではなく、免疫という自分の体の中の闘いに勝てたからウイルスを死滅させることができたのです。何度も言いますが、風邪を治す薬(ウイルスを死滅させる薬)はありません。

病院受診して処方される薬は全て風邪症状をやわらげる薬です。そのような薬を使いすぎるとかえって風邪の治りは遅くなります。

 

上のAさんが、もし体力のある人ならば、二件目と三件目の病院には受診せず休んでいた方が早く治った可能性があります。早く治すためには、特に風邪の初期に症状を無理に止めないで十分に休んで水分をとることが重要です。風邪が長引く原因の一つとして、風邪の初期に強い薬で症状を止めすぎていることや、安静にできていないことなどが考えられます。その場合はウイルスが体の中により多く増殖し、死滅させるのにより多くの時間がかかるため、長引くのです。

体力がない人の場合は症状をやわらげる必要がありますが、体力がある場合は、特に風邪の初期は症状を止めずに水分摂取を多くしてよく休むのが早く治す近道なのです。

 

 

 


『風邪はどうやって治すの?』という質問を医師が受けたら、皆次のように答えるはずです。

 

ウイルスと体が闘って、自分の体がウイルスに勝つことによって治します(治ります)。症状が強かったら、(治るのは遅くなるけれども)症状をやわらげる薬を使います。症状をやわらげ、あとは(ウイルスと闘うことによる)自然治癒を待つだけです。風邪を治す薬はありません。

 

 

 


自分自身は、風邪を引くのが絶対に嫌で、普段から引かないような工夫をしています。漢方治療の併用で、風邪を引きにくくすることは十分可能と考えられます。