脳を活性化させるためにやるべきことは糖(甘いものなど)を多く摂取すること?それとも別のこと?
以前のコラムから、糖は体にとって大事なものであることが分かると思います。
では、糖の摂取量はどれくらいが良いでしょうか?
結論から言うと、
1日の必要十分な摂取カロリーの50~60%位が適量で、それより少なくも多くもならないようにするのが理想です(1日どれくらいの総カロリーが理想なのかの説明は省きます)。
また、
「脳を活性化させるためには糖の必要量が多くなります」
では、
甘いものなど、糖をたくさん摂取すればするほど脳が活性化されるでしょうか?
甘いもの好きな人には申し訳ありませんが、それはありません。
有酸素運動などをすれば体内の糖はどんどん燃えるため、糖の必要量は多くなります。
また、たくさん勉強する場合も糖の必要量が多くなります。
そのため、有酸素運動をたくさんやっていて糖を多く燃やしている人、また1日10時間勉強する人の場合は、糖を余計に摂取した方が良い場合もあります。
そうでない人は、
全体のカロリーの60%位を炭水化物(糖)として摂取すれば、(かなり頭を使う場合でも)これで十分な量になります。
つまり、
一般的な食事をしている人が、食事以外で糖(甘いものなど)をさらに積極的に多く摂取した場合、
その分のほとんどは脳には利用されず不要な分になり、
脂肪蓄積の方に利用されるだけになるのです。
また、糖尿病の人が甘いものを積極的に摂取したら、
血管の中の糖(=血糖)が多くなるだけ(血糖値が高くなるだけ)で、
脳に糖がほとんど使われず(脳が活性化されず)、血糖コントロールが悪化するだけになってしまいます。
つまり、一般的な食事をしていて、かつよほど運動や勉強をしていることがないならば、糖の量は十分に足りているので追加して糖を摂取する必要はないのです。
糖は体にとって重要なものであるため糖質制限はすすめないけれども、多く摂取したら逆に不健康になるので過剰摂取もすすめないということです。
「甘いものは脳を活性化する」という情報は間違っています。
正しいのは
「脳を活性化させるにはより多くの糖を脳に利用させるが必要がある」
で、
糖の量に関しては(有酸素運動をたくさんしている人,
長時間勉強する人でなければ)一般的な食事ができていれば十分足りている
のです。
■脳を活性化させるために本当に必要なことは何か?
では、脳を活性化させるために本当に必要なことは何でしょう?
答えは、
(甘いものを積極的に摂取して糖を多くしようとしても脳は活性化しないので)
糖が脳に多く利用されるようにすることです。
つまり、
脳を活性化させたい場合にやるべきことは甘いものを積極的に摂取することではなく、
食事で十分足りている糖を脳により多く利用させるためにはどうしたらよいかということ理解して、それを実行することになります。
糖を脳に効率よく利用させるために重要なことの1つは運動です。つまり、運動することにより糖が脳に利用されやすくなり、脳が活性化しやすくなるのです。
逆に運動しないで甘いものばかり摂取しても、その甘いものは脳にほとんど利用されず、脂肪蓄積の方にばかり利用されるため太るだけになり、脳は活性化しないのです。
残念ながら、楽して脳を活性化させることはできないのです。
間違った情報を鵜呑みにして甘いものを積極的に摂取したら不健康になってしまうので注意しましょう。
それでも、
甘いものを摂取すると調子が良くなる、甘いものを食べると脳が活性化すると感じる人は・・・
糖質中毒(糖質依存症)の可能性があります。
これについては、別のコラムで説明します。