HOME > 医師コラム > ●「風邪を早く治す」に対する大きな勘違い ●風邪を引きそうな時なら抑えることが可能

●「風邪を早く治す」に対する大きな勘違い ●風邪を引きそうな時なら抑えることが可能

 

■色々な「風邪を早く治す方法」は、実は風邪を早く治す方法ではなく・・・

 

5日間で治る風邪に罹患(りかん)したとします。

 

その風邪が

❶4日間で治った。 ❷6日間で治った。

 

❶の場合は、風邪が1日早く治った。

❷の場合は、風邪が1日長引いた。

 

ということになります。

 

「風邪を早く治す方法」をネットで調べる人は多いと思います。

皆さんが調べている「風邪を早く治す方法」で期待しているのは、❶のようにする方法だと思いますが、残念ながらその方法はなく、書かれている内容は全て❷にならないようにする方法なのです。

 

つまり、

風邪症状が完全に出てしまった場合

早く治す方法はないけど長引かないようにする方法はあり、「風邪を早く治す方法」で検索して書いてある内容は全て

 

早く治す方法ではなく長引かせないようにする方法

 

だということです。

 

完全に風邪を引いてしまった場合に早く治す魔法のような方法は絶対にないということを理解しましょう。

 

※インフルエンザの場合、早期に薬を使えば1日早く治ると言われています。

 

 

風邪を長引かせない方法=風邪を最短で治す方法(上記の例だと5日間で治す)

だとすれば、

 

その方法は次の3つ以外はありません。

 

❶風邪だからと言って安易に病院受診しないこと(風邪を治す薬が存在しないため治す薬の処方が不可能ただの風邪ならば無駄な受診になることもある)

❷薬を飲まないこと(症状がつらい場合は、治るのは遅くなるけれども症状を抑える薬を内服しても可)

❸自宅で暖かくして水分・栄養と休養を十分とること

 

 


 

 

■仕事が休めないから・・・という人は

 

仕事をするという時点で安静にできないので、一生懸命努力しても風邪が治るのは必ず遅くなります。もし仕事をする場合は、治るのはさらに遅くなるけれども薬で症状を抑えて無理やり仕事をする以外方法はありません

 

風邪を引くと色々と大変です。

また、自身も絶対に風邪を引きたくないので、当院では風邪を引かないようにすることに力を入れています。

 

 


 

 

■風邪を引きそうになったタイミングであれば抑えることは可能

 

風邪症状が完全に出た後だと早く治すのは難しいですが、

 

風邪を引きそうになったタイミングであれば抑えることは可能

 

です。タイミングとしては初期症状が出る少し前位で、何か前兆のようなものがものがあれば対処しやすいです。

自身の場合の前兆は、「のどが痛くはないけど何となく変」「何となくいつもより冷えた感覚がある」などです。この段階で漢方薬などで対処して風邪を引かないようにしています。

 

風邪を引かない人は、風邪を引きそうになっても引かないように止めてしまうのが上手いのです。

風邪を引きそうになることさえ全くないという人はなかなかいないでしょう。

 

現在騒がれている新型コロナウイルス感染症の予防方法と風邪を引かないようにする方法は基本的に同じです。

新型コロナウイルス感染症流行を機に風邪予防を徹底する人が増えているのは明白で、これは不幸中の幸いだと思います。

いずれ新型コロナウイルス感染症は終息します。終息後も風邪予防を徹底することの大切さを皆さんは絶対に忘れないでください。