悪玉コレステロール(LDL-C)検査で、皆さんに知ってもらいたいこと
コレステロールで治療中の人、健診で要再検査・要治療の人は知っておいた方が良い内容なので、今回の内容は少し読みにくいかもしれませんが、健康のために是非読んでください。
正常値・目標値がどれくらいか等は、色々なところ説明されているので今回は説明しません。
皆さんに知ってもらいたいのは、次の内容です。
悪玉コレステロール(LDL‐C)は、
採血をして検査の機械で調べると、
→測定精度上の問題があると言われており、直接調べないことが多い。
では、悪玉コレステロール(LDL‐C)はどうやって知る?
→他の脂質検査から計算式で出します。
総コレステロール(TC)
善玉コレステロール(HDL‐C)
中性脂肪(TG)
の3項目から調べられます。
計算式は、
LDL‐C=TC-HDL‐C-1/4×TGです。
ただし、ここでまた問題があります。
何が問題かというと、
中性脂肪(TG)が高値だと、この計算をしても悪玉コレステロール(LDL‐C)は不正確になります。
つまり、中性脂肪(TG)が高値だと検査機械でも計算式でも正確な数値が出せない。
→では、中性脂肪(TG)が高値ならばどうすればよい?
その場合は、nonHDL‐Cというものを計算して、悪玉コレステロール(LDL-C)の代わりの項目として評価します。
nonHDL‐Cとは、文字の通り総コレステロール(TC)から善玉コレステロール(HDL‐C)を引き算したものです。
以上より、
中性脂肪(TG)が高値でないなら
→悪玉コレステロール(LDL‐C)を計算して評価する。
中性脂肪(TG)が高値なら
→nonHDL‐Cを計算して評価する。
中性脂肪(TG)がどれ位高いと悪玉コレステロール(LDL‐C)が計算できないか?
→中性脂肪(TG)が400以上だと計算しても数値が不正確、と言われていますが、400未満でも高値ならば誤差は出ます。
当院では、次のように評価しています。
①中性脂肪(TG)が400以上
→nonHDL-Cを計算して評価
②中性脂肪(TG)が200以上400未満
→nonHDL-Cと悪玉コレステロール(LDL-C)の両方を計算して評価
③中性脂肪(TG)が200未満
→悪玉コレステロール(LDL-C)を計算して評価
以上を見て気づく人がいると思いますが、血液検査で調べる項目は3つだけで良いのです。
(※精密に検査する場合は他の項目を検査することもあります)
3つとは、上にも書きましたが、
総コレステロール(TC)・善玉コレステロール(HDL‐C)・中性脂肪(TG)です。
つまり、この3つが分かれば悪玉コレステロール(LDL‐C)かnonHDL‐Cが計算できるのです。
コレステロール・中性脂肪等の意味・見方については、また別のコラムで説明します。