患者さんが意外と知らない医師・病院のこと
皆さんが意外と知らないと思われる内容をいくつか説明します。
①医師は、薬の色や形を言われても分からないことが多い
よく患者さんから
「今日は黄色の薬が5日分余っているから5日分少なくてよい」
「今日は楕円の形の薬は沢山余っているから不要」等、言われることがあります。
医師は、当然薬の名前と効能はよく理解した上で処方しますが、処方した薬の色や形までは完璧に分かっていないことが多いのです。形や色を知っているものも当然ありますが、知らないことも多いのです。
また、ジェネリックの種類がとても多い薬の場合は、ジェネリックの名前を全て把握していないことも多いです。
もし皆さんの主治医で、「自分が処方している薬に対しては、効能だけでなく色や形までほとんど分かる」という先生がいたら、とてもすごいことだと思います。
薬の色や形が分からなくても、先生方は皆効能等はわかって処方していますので安心してください。
医師ならば当然知っているだろうと思っている方が多そうなので、今回のコラムに投稿しました。
②医師も風邪を引く
医師は病気になりにくいと思っている方は多いでしょうか?
医師も生身の人間であり、患者さんと同じです。風邪も引きます。ただし、風邪の人と接することが一般の人よりも多く、
風邪を引かないようにする工夫などはよくしていると思います。
③医師が医師に手紙(紹介状等)を書くときの言葉
普通、相手の医師の名前に「〇〇様」「〇〇先生」とは書かず、
「〇〇先生御侍史」「〇〇先生御机下」
と書くのが普通です。
御侍史(ごじし又はおんじし)
御机下(ごきか又はおんきか)
という書き方は医師と医師の間で手紙をやりとりするときの独特の表現方法です。
さらに、自分の病院のことは「当院」、相手の病院のことは「貴院」と表現します。
④保険が切られるとは
病院スタッフがよく使う言葉です。
簡単に言うと、例えば自己負担が3割の人の場合
3割分の金額は患者さんから収入として入り、
残りの7割分は保険から収入として入ります。
保険が切られるとは、この7割分の収入が入らないことをいいます。
現在、膨大な医療費が大変問題になっており、それぞれの病院が過剰な診療をしていないか等のチェックが入ります。過剰とみなされると保険が切られるのです。
1人の人が全国全ての病院をチェックするのは当然不可能で、担当者が地域ごとに異なります。そのため、納得いかない人がいるかもしれないが、過剰な診療と判断する基準が地域ごとに異なります。ある地域ではこのくらいの検査は保険範囲内でできたのに違う地域だと切られるから認められない等の現象は必然的に起きてしまいます。膨大な医療費が問題になっているため本当にやむを得ないことであり、皆さんにご理解していただきたい内容です。
⑤保険証が切り替わった人→古い保険証を提示してはいけません
保険証に有効期限が書いてある場合は受付で気づくので問題ないのですが、
会社が変わった
国保から社保に変わった
社保から国保に変わった
等の場合に問題になることがあります。
保険証が切り替わって、古い保険証がまだ手元にある場合、その保険証を提示する人が時々います。この場合は患者さんから申し出ない限り、真相が発覚するのは数か月後になります。
大ごとではないと考えている人が比較的多いように思えます。有効でない保険証を使うと、詳しくは書きませんが、後から色々と面倒なことが起きます。医療事務の人の手間が大変増えますので、絶対に有効でない保険証を提示するのはやめましょう。
⑥おまけ画像
院内の作品(作品③・作品②・作品①)ではないのですが、木工作品を紹介します。
よく使うドライバーなどの工具を収納する箱です(下写真)。タモという木材を使いました。野球のバットに使われることもある硬い木材です。
よく使う工具を単に箱に入れると、金属同士がぶつかりあってよくないため、コルクにはめ込めるようにしました(下写真)
今回活躍した道具です(下写真)。
正確に型をとるのに優れており、初めて使い成功しました。ドライバーに押し当てて型をとっている写真と、離すとドライバーの型の曲線になっている写真です(下写真)。これを鉛筆でなぞって図を描きます。